2018年3月19

 

領収書が経理作業において重要な役割を果たしていることはいうまでもありません。しかし、領収書は、闇雲に集めて、無造作に保存しておけばよいというものではないのです。大切なことは、「出金の事実や内容を証明するものは何か?」ということです。また、出金の事実や内容が明らかでも、出金の目的が説明できなければどうにもなりません。

 

●領収書とは?

 

領収書は出金の事実や内容を証明するための書類です。しかし、領収書は出金の事実や内容を証明する唯一絶対的な手段ではなく、ひとつの手段に過ぎません。領収書は簡単に偽造、改ざんが行えるからです。出金の事実や内容は、資金の流れ、事業内容、規模その他を多面的に検討し判断されます。「領収書さえあれば・・・」という安易な考えは大変危険です。いわば、領収書は出金の事実や内容を証明するプロセスのゴールなのです。

 

●領収書の内容

 

領収書には、発行した者の正式な社印が押されているものから、レシート、メモ書きまでと様々なものがあります。領収書と呼ぶからには、「日付」「宛先」「金額」「領収内容」「発行者名とその所在地および電話番号」が記載されたものを入手したいものです。なお、支払いを銀行振込みでした場合は、金融機関が発行する振込金受領書(受取書)が領収書となります。

 

●出金の目的

 

全く同じ内容の領収書であっても、その出金の目的が違えば経理処理も異なってきます。例えば、飲食店の領収書です。得意先と飲食した場合は交際費か会議費、社員の忘年会や新年会で飲食した場合は福利厚生費、代表者の個人的な飲食の場合は貸付金あるいは役員報酬といった具合に処理が異なってきます。この出金の目的は領収書には記載されませんので、帳簿に記載しておくことになります。

 

●領収書が無い

 

出金があったならば、金額の大小に関係なく必ず領収書を入手しなければなりませんが、領収書がない場合には次のように対処しなければなりません。

 

〇領収書の入手を忘れた、紛失した場合

 

至急発行してもらってください。相手先が拒む場合があります。そのときは帳簿に出金内容を明瞭に記載し、領収書に代わる書類(請求書、納品書、注文書など)を残しておくしかありません。

 

〇領収書が無いのが当然の場合

 

◇交通機関の運賃

利用者と交通経路を記載した記録(現金出納帳、旅費明細、出金伝票など)を残しておきます。ただし、電子マネーで支払った場合には利用明細などを残すことができます。

◇販売機での購入(ジュースなど)

いつ、どこで、誰がという記録(現金出納帳、出金伝票など)を残しておきます。ただし、電子マネーで支払った場合には利用明細などを残すことができます。

◇香典や祝金

案内状やお礼状を残しておきます。

◇預金口座振替で領収書の発行が省略されているもの(保険料、リース料など)

通帳は当然として、毎月の振替金額を取り決めたときの契約書を残しておきます。

 

●クレジットカードによる支払い

 

クレジットカードで支払いをした場合には、その場で「店の領収書」と「クレジットカードの利用控」が、クレジットカードの決済日が近づくと「クレジットカードの利用明細(期間中に利用した記録)」が発行されます。いずれも、出金額や出金日を明らかにするために必要ですので保存しておかなければなりません。

 

●領収書の分類

 

領収書は次のように分類しておくと保存や検索がしやすいです。

 

○現金払いと銀行振込み

○仕入代金と諸経費

○締め日支払分とその都度支払分

 

一番合った(やりやすい)方法を選択してください。なお、租税公課関係の納付書(税金、社会保険など)は、後日、金融機関や役所への提示が必要な場合がありますので、上記からさらに区分けしておくのが賢明です。

 

●領収書の保存方法

 

一般的にはスクラップブックなどに貼り付けて保存します。しかし、この方法では後日取り外しの必要が出た際に不便です。

 

○紛失が防止されている

○後日再確認ができる

○帳簿との相互関連がたどれる

 

以上の条件を満たす方法ならば、どのような方法でもかまいません。

 

●請求書と領収書

 

一般的に、領収書は代金総額に対して発行されるのに対して、請求書には明細がついています。その意味で、請求書と領収書はセットと考えるのがよいと思います。両方がそろって初めて出金の事実や内容を証明できるということです。

 

●ネット取引の領収書

 

ネットショップで購入した場合には紙での領収書が発行されることはなく、ファイル(PDFなど)や画面表示での領収書となります。この場合にはこれを印刷しておかなければなりません。

 

●領収書をスキャンして保存する(デジタルデータで保存する)

 

認められます。しかし、そのための要件は相当厳格です。詳しくは国税庁サイトの「電子帳簿保存法について」をご覧ください。