2022年10月14日

 

会社には法人税と消費税が課税され、いずれも会社で計算してそれを申告したうえで納税しなければなりません。そのほか、会社には従業員に支払う給与から税金を預かって(天引きして)納付するという源泉徴収義務があります。

 

会社はこれらの義務を自発的な果たさなければなりません。会社は自社を管轄する役所を調べ、申告などの手続をしなければなりません。役所からの連絡を待っていてはいけないのです。

 

●法人税

 

会社が儲かれば、法人税(国税)、事業税(都道府県が課税)、都道府県民税、市町村民税が課税されます(これらをまとめて法人税といいます)。ここでの「儲け」とは「利益」のことです。利益は「収益-費用」として計算されます。利益が多い会社のことを儲かっている会社といいます。儲かっている会社は法人税をたくさん納めなければならないのです。会社は自ら利益を計算しなければなりません。この計算作業は決算と呼ばれ、事業年度という1年ごとの単位で行います。結果として法人税を申告して納めるのも1年ごとになります(税額によっては事業年度に中間での納税が必要となる)。

 

●消費税

 

会社は消費税(国税および地方税)を納めなければなりません。会社は販売の際に消費税を受け取り、仕入や諸経費を支払う際に消費税を支払います。会社が税務署に納める消費税は、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いた額です。消費税は全ての会社が納めなければならないのではなく、売上規模と設立後の年数によって納税義務が免除される場合があります。なお、消費税も法人税と同様、事業年度ごとに自ら計算して申告と納税を行います(事業年度の途中で納税が必要となるケースもある)。

 

消費税は、広く公平に一般の消費を対象に課税する「間接税」であるといわれています。間接税とは税の負担者と納税義務者が異なる税をいいます。販売する事業者は本体価格(消費税を上乗せする前の価格)と消費税を区分して代金を受け取り、消費税は客(個人あるいは事業者)の負担となっています。しかし、これは、あくまでも理論上において客への負担(転嫁)が「予定」されているにすぎず、形式上は客への負担がなされているようでも、実際は販売する事業者の負担となっていることもあります。「消費税を取るならもう少し安くしてくれ」などの会話は、このことを物語っています。これが、消費税の「納税」に苦労する会社が出る理由なのです。

 

【インボイス制度】

 

2023年10月1日より導入されます。上記のとおり会社が税務署に納める消費税は、販売の際に受け取った消費税から、仕入などの際に支払った消費税を「仕入税額控除」として差し引いた額です。インボイスはこの仕入税額控除を正確に計算するためにあります。「払ってもいない消費税」を差し引けないようにしているのです。

 

適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者はインボイス(適格請求書)の発行ができません。消費税の申告をする会社は仕入税額控除を正確に行うべく、支払先が適格請求書発行事業者であることを確認するとともに、インボイス(適格請求書)を漏れなく入手しなければならないのです。

 

●源泉徴収(源泉徴収に理解のない者とは関わらない=ビジネスの鉄則)

 

会社には源泉徴収義務というものがあります。この義務は、会社がその役員や従業員に給与(給料、賞与など)を支払う際に所得税(国税)を源泉徴収し(天引きし)、それを税務署に納めるというものです。なお、所得税の源泉徴収同様、役員や従業員の住民税(都道府県民税と市町村民税)も天引きし市役所・町村役場に納めなければなりません(都道府県民税も市役所・町村役場に納める)。

 

源泉徴収は特定の所得や職業の者(給与以外から源泉徴収されることもある)からのみ行うという、大変腑に落ちない制度かもしれません。また、サラリーマンにとって納税=税負担を意識させないという弊害があります。しかし、法律ですので受け入れるしかありません。源泉徴収をしていなかった場合の後処理ほど大変なことはありません。「源泉徴収制度に理解のない者とは関わらないこと」が「ビジネスの鉄則」であると考えておく必要があります。源泉徴収制度を理解しない者(無視する者)のほとんどは、後でトラブルが起きたとき、もう、貴方の前から姿を消しているでしょう。結局、貴方が「泣き寝入り」することになるのです!

 

●固定資産税、自動車税、印紙税

 

これらは個人(すべての個人)と同じです。会社として不動産を所有していれば固定資産税が、自動車を所有していれば自動車税が、一定の契約書を作成すれば印紙税が、それぞれ課税されます。

 

●税務関連役所(税務署、都道府県、市町村)

 

会社が申告納税手続をする役所は下記のとおりです。

 

〇税務署(特定の地域を管轄)→国税(法人税、消費税、源泉所得税)

税務署は特定の地域を管轄します。その地域に「登記上の本店」がある会社は、その地域を管轄する税務署で申告納税手続をしなければなりません。

 

〇都道府県税事務所(特定の地域を管轄)→地方税(事業税と都道府県民税)

都道府県税事務所は都道府県内の特定の地域を管轄します。その地域に「事業所(登記の有無は問わない)」がある会社は、その地域を管轄する都道府県税事務所で申告納税手続をしなければなりません。

 

〇市役所・町村役場→地方税(市町村民税)

特定の市町村内に「事業所(登記の有無は問わない)」がある会社は、そこの市役所・町村役場で申告納税手続をしなければなりません。担当は税務部とか税務課などと称する部署です。

 

個人事業者の場合には申告書の提出先は税務署だけですが、会社は上記の3ヶ所です。個人で事業を営んでいて会社を設立した(法人成りした)人は注意が必要です。個人のように税務署が都道府県や市町村に連絡をしてくれるのではありません。

 

●役所からの連絡(待っていてはいけません!)

 

会社を設立したならば、すみやかに「登記上の本店」あるいは「事業所(登記の有無は問わない)」が所在する地域を管轄する税務関連役所を調べ、各役所で設立届けの提出など、所定の手続をしなければなりません。この手続は自らしなければなりません。それが義務です。この手続をしておけば、事業年度が終了して1か月ほどすれば各税務関連役所から申告書の用紙と納付書が送られてきます。

 

税務関連役所への届けや申告をしていないからといって、会社が設立できないとか、設立後の営業活動ができないというわけではありません。しかし、だからといって「待ちの姿勢」でいると恐ろしい結果を招きます。

 

会社を設立したならば、税務関連役所からは逃げられません。会社の設立は法務局という役所で設立登記をしなければならないことから、いずれは税務関連役所から会社を設立したことを把握されます。そして、設立届けなどの必要書類を提出していない場合には提出するように促されます。

 

役所からの連絡を待っていてはいけません。役所からの連絡があるころには、すでに期限が過ぎていて何らかのペナルティが課されるとか、不利な扱いになることがほとんどです。 

 

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